ストラズディンス先生によるセミナー

セミナー 「家族、仕事と健康:現在進行中の研究と将来の課題」

ストラズディンス准教授は仕事と介護、及びその健康や男女平等への影響を研究対象とする心理学者です。ここ数年、ストラズディンス先生は健康の社会的要因としての時間に関する理論を発展させています。その理論では、時間は、社会における権力の構造やジェンダー関係のみならず、人々の健康にも影響を及ぼす資源として理解されています。ストラズディンス先生は論文や著書を100本以上執筆しています。

23日にストラズディンス先生は、オーストラリアにおける就業、家族と健康をテーマとしたセミナーを行いました。人口高齢化・平均寿命延長・グローバル化・ジェンダー関係などが、オーストラリアの労働市場や親が育児に充てる時間に及ぼす影響、また家族と就業の両立に関する諸問題が働く親の精神健康、育児ケアの質、及び子供の精神健康に与える影響を取り上げた幅広く情報豊かな講義をしていただきました。ストラズディンス先生は日本との比較を行いながらオーストラリアの現状を分析し、その上で女性の労働参加の形態と程度、男性による育児の奨励、家庭と仕事の両立に関する対策についての、男女平等や児童の精神健康に配慮した明確な政策提言をまとめ、発表を行いました。

ストラズディンス先生のご滞在中、本プロジェクトの研究者と先生の間で、親子の精神健康を測定するための心理学的な尺度を「仕事と家族の全国調査」に導入する可能性や将来の共同比較研究についての活発な討議が二日間を通して行われました。