岩本先生によるセミナー

医療・介護保険在世モデルによる世代間負担平準化政策の分析

8月4日、経済学研究棟で本プロジェクトのメンバー岩本康志先生による特推セミナーが開催されました。題目は「医療・介護保険在世モデルに
よる世代間負担平準化政策の分析」でした。当該発表は京都経済産業大学の福井唯嗣教授と共同で行われた研究についてのものでした。
社会保障費の急激な増加は、人口高齢化と人口減少に直面する日本の社会を脅かす大きな脅威です。岩本と福井によると、公的費用増大
の大部分は医療及び介護保険によるものであるにもかかわらず、先行研究では将来の社会保障費用を推計する際に公的年金に重点を置く傾
向がみられます。岩本と福井は、生涯負担に注目し、今後95年間を対象に分析を行いました。その結果、彼らは、将来医療・介護保険への
支出の大幅な増大が不可避であり、世代間の負担の差も大きくなるだろうという結論に到達しますが、それと同時に、いくつかのシナリオ
のシミュレーションを行うことで生涯負担のピークの削減を通してこの深刻な状況の緩和が可能であることも示しています。