日本人高齢者の就業余力に関する発表

 

Untapped Work Capacity among Old Persons and their Potential Contribution to the First Demographic Dividend and Labor Supply in Japan

 

ハーバード大学、スタンフォード大学、スイスの世界人口・高齢化フォーラムと中国の復旦大学が5月末に上海で主催したWorkshop on the Economics of Ageing and Healthと題された会議において、人口構造変化において労働力が減少する日本において、潜在的に働くことが可能な高齢者がどれくらい存在するのかを推計し、その高齢者が労働市場において働いたとしたらどれくらいのインパクトをマクロ経済に影響を与えるか推計した研究を発表。

高齢者の潜在的労働力の推計にはJSTARを使用し、NBERのプロジェクトで行われている方法を使用した。具体的な方法は、50-54歳で労働している人と同じ健康状態の人が55-75歳でどれくらいいるかを推計した。この働くことが可能な健康状態の55-75歳の人口が、もし働いた場合のマクロ経済へのインパクトを、NTA指標を用いて推計した。

また、特定の世代の労働市場に多くの参入があった場合に、その世代や他の世代の賃金に影響を与えることが考えられるが、時系列データを用い、高齢者の労働力の参入が他の世代の賃金に影響を与えていないことを実証した上でこのシミュレーションを行った。

実際に、現在健康な高齢者が全て労働市場に参入すると、GDPの4%の影響があり、かなり大きな影響をもたらすということが判明した。